アジャイル開発に関する有識者検討会(第5回)会議資料公開と品質保証の最新議論

アジャイル開発に関する有識者検討会(第5回)会議資料公開と品質保証の最新議論 未分類
アジャイル開発に関する有識者検討会(第5回)会議資料公開と品質保証の最新議論

アジャイル開発に関する有識者検討会(第5回)会議資料等の公開について

アジャイル開発に関する有識者検討会(第5回)会議資料等の公開について

デジタル庁は2026年7月2日、アジャイル開発に関する有識者検討会(第5回)の会議資料等を公開しました。本記事では、公開資料を基に会議の開催概要や議論された品質保証の考え方、アジャイルCoEの運用、システム監査対応のポイント、そして今後の検討課題について整理して解説します。

アジャイル開発に関する有識者検討会(第5回)の開催概要

開催日時と場所

会議は令和7年(2025年)12月24日(水)15時00分から17時00分まで、オンライン(Microsoft Teams)で開催されました。

出席委員

狩野座長、杉井委員、岡島委員、佐野委員、木村アドバイザーが出席しました。

議事次第の内容

  • 開会および座長挨拶
  • 前回検討会の振り返り
  • 論点と仮説の共有および議論
  • 今後のスケジュール確認
  • 閉会・諸連絡

会議で共有された品質保証に関する主要な議論

内部品質と外部品質の区分と議論の必要性

品質は内部品質(バグ除去やセキュリティ対策などユーザーに見えない部分)と外部品質(画面や機能の使い勝手向上、ユーザーフィードバックによる機能追加など)に大別され、それぞれ異なる品質保証アプローチが必要とされます。これらを分けて議論することが重要とされました。

初期開発とエンハンス開発における品質保証の違い

新規開発(初期開発)と既存システムの維持・改善を目的としたエンハンス開発では、品質保証の取り組みや優先順位が異なるとの指摘がありました。

ユーザーテストの重要性とアジャイル開発における早期テストの利点

ユーザーテストはウォーターフォール開発では最終段階で行われることが多いのに対し、アジャイル開発ではUIがある程度完成した段階で早期に実施可能であり、課題の早期発見・対応に有効です。ユーザーリサーチやテストをガイドラインで定着させることも重要とされました。

QAとAQの考え方と官公庁での導入可能性

QA(Quality Assurance)とAQ(Agile Quality)の考え方は民間でも参照されているものの、官公庁での「QAを含むOneチーム」体制の導入は組織変更を伴うため難しいとの意見がありました。内部品質向上のため、専門家を現場近くに配置し、性能テストやセキュリティテストを日常的に実施できる体制づくりが望ましいとされました。

品質チェックリストの活用例と品質スプリントの組み合わせ

品質チェックリストに「毎スプリントでリグレッションテストを全件実施する」などの項目を入れることで要求水準を明確化できます。また、「QAを含むOneチーム」と「品質スプリント」を組み合わせることで、QA担当者がチームに加わり総合試験やユーザーテスト設計を行い品質向上が期待されます。ただし品質スプリントが後回しになることを防ぐ策も必要です。

アジャイルCoEの機能・役割と運用に関する議論

CoEの役割と求められる人材像

アジャイルCoEはアジャイル開発の好事例を広めるチェンジマネジメントの役割を持ち、熱意(チャンピオン)と専門性を兼ね備えた人材が求められます。部門横断的に実務能力を持ち主体的に動ける人材が理想とされました。

専任・兼任体制の想定

CoEの体制は専任と兼任の両方が想定され、状況に応じて柔軟に運用されるべきとされました。

ナレッジマネジメントと現場意見の反映

CoEは現場からの意見を集約し、品質チェックリストの改訂などナレッジマネジメントを担います。

異動が多い官公庁における人材配置の課題と民間活用の提案

官公庁は異動が多いため、アジャイルに詳しい人材の継続的な配置が困難です。これを補うため民間事業者の活用や研修担当と伴走支援の役割分担の最適化が提案されました。

成熟度フェーズに応じたCoE体制の段階的整備

アジャイル開発の成熟度に応じてCoE体制を段階的に整備し、広報や目標設定を明確にすることが重要とされました。成熟後もチーム支援組織の維持が必要との指摘もありました。

アジャイル開発におけるシステム監査対応のポイント

記録・証跡の重要性

スプリントプランニングやデモ、意思決定の記録を残すことが重要であり、これらはシステム監査においても有効です。

意思決定の記録と契約書との連携

意思決定は仕様書や契約書とリンクさせて記録することが望ましく、ガバナンスの観点からも必要とされます。

非ウォーターフォール契約書の活用例

非ウォーターフォール開発向けの契約書雛形では、連絡協議会の開催や合意事項の議事録作成が規定されており、実際に運用されています。

未確定・今後の検討課題

  • 官公庁でのQAを含むOneチーム体制の現実的導入可能性
  • 品質スプリントの後回し防止策の具体化
  • アジャイルCoEにおける熱意と専門性を兼ね備えた人材確保の困難さ
  • 伴走支援と研修担当の役割分担の最適化

公式情報・資料の参照先

デジタル庁公式ページURL

アジャイル開発に関する有識者検討会(第5回)会議資料等 – デジタル庁

公開された議事次第・資料一覧

  • 議事次第(PDF/203KB)
  • 資料1 アジャイル開発に関する有識者検討会の開催について(PDF/240KB)
  • 資料2 アジャイル開発に関する有識者検討会(第5回)事務局提出資料(PDF/1,837KB)

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